そんなに広いとも言えない、しかも日当たりのよくない四畳半です。
常によどんだ空気の満ちたその部屋が、もともとあたしは好きではありませんでした。
「はむっ…はふうぅぅ…」
ぬちゃっ…ぬちゃっ…
そんな部屋に波紋のように広がっていく、小さな音。
母親の唾液が、父親の肉棒の表面で立てていたその音は、今でも忘れようにも忘れられません。
四畳半の薄暗さを思い出す時、決まってセットで思い出される記憶です。
そんなに広いとも言えない、しかも日当たりのよくない四畳半です。
常によどんだ空気の満ちたその部屋が、もともとあたしは好きではありませんでした。
「はむっ…はふうぅぅ…」
ぬちゃっ…ぬちゃっ…
そんな部屋に波紋のように広がっていく、小さな音。
母親の唾液が、父親の肉棒の表面で立てていたその音は、今でも忘れようにも忘れられません。
四畳半の薄暗さを思い出す時、決まってセットで思い出される記憶です。
両親と事実上縁を切ったのは社会人になってすぐだったから、もうかなりの年月になります。
こういう言い方をすると、その頃何か大きな問題が起こったからだと思われるんですが、そういうわけじゃありません。
むしろ、子供のころから、両親とは問題ばかりでした。
下着を慣れた手つきで下げ、どうやっているのかは知らないがうまく膝のあたりで止めると、大胆にも母親はこちら向きで壁に手を伸ばした。
恐らくは、給水タンクの両側の壁に手を突いているんだろう。
窓に近づいた分、首から下は全く見えなくなってしまったけれど、俺はそんなことはどうでもよかった。
Sが話してくれた事情をまとめると、きわめてシンプルなものだった。
要するに、休みの日、両親が俺たち兄弟のいない間、さんざんヤり狂っていると。
それも、部屋ではなく、トイレで、しかも窓を閉めさえせずに。
それまでの経験から考えると、大体両親の部屋からあえぎ声が聞こえてくるのは、深夜1時を過ぎたころです。
となると、ペッティングとかはもう少し早い時間から始めているかもしれません。
早々に寝るフリをして自室に入った僕は、時計の針が進むのを固唾をのんで見守っていました。