M沢さんは、ただ黙々と、制服の上からわたしの胸を揉み続けている。
わたしはというと、やはりぼんやりしたままだった。
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「自分の胸がM沢さんに揉まれてる」ということだけはわかったけれど、それだけだ。
認識はしたけど、感情がまるでついていかない。
あれだけ憧れていた相手だ。
喜ぶにしても怒るにしても、少しは感情が波立ってもいいはずなのに。
ただ、身体だけがおかまいなしに、じんじんと熱くなってきていた。
「んっ…」
自然な身体の反応だった。
意識さえしていなかったけれど、声が漏れた。
「何だお前、感じてんの?」
M沢さんがそういったとき。
皮肉にも、自分を感じさせている張本人の言葉でわたしは我に返った。
わたし、こんな状況で感じてる?
M沢さんのことは、好きだ。
もしあわよくば、恋人になれたらって思っていたのも事実だ。
こっそり指でなぐさめたことも、一度や二度じゃない。
だけど、こんな形になってまで、わたしは抱かれたかったんだっけ?
M沢さんの顔をみた。
表情は変わっていない。
不機嫌そうな、疲れたような、何とも言い難い表情。
はじめから身体だけを求める男性だって、もう少し盛り上がった表情をするだろう。
わたしの身体に触れている彼は、ただ退屈そうなだけだった。
(…こんなの、違う)
そう思ったとたん、快感がすーっと引いていった。
それといっしょに、目から涙が流れ落ちるのを感じた。
最初はポロっとこぼれる感じだったけれど、すぐに視界が涙でぐちゃぐちゃになった。
「あー、お前、そういう感じか」
M沢さんがすっと手を引いた。
「いけるかと思ったんだけどなあ。泣かれちゃあな。そういう趣味はねえし」
「あ…」
「ま、今日はお疲れさん。早めに帰って休めよ」
M沢さんが立ち上がり、事務所の出口に向かって歩き始める。
ホッとするでもなく、残念に思うでもなかった。
ただ、こんな形がわたしには精一杯だったんだろうかと思うと、むしょうに悲しかった。
M沢さんの後ろ姿が、ドアに近づいていく。
向こうをむいたまま、独り言のようにつぶやいた。
「ま、しゃあねえか…あー…最後だってのになあ」
ほとんど聞こえないくらいの声だった。
わたしに聞かせるつもりはなかっただろう。
どちらかというと、無意識に漏れてしまった声と言った方が正確なくらいだった。
だけど、わたしの耳は敏感過ぎるくらいの感度でその内容をとらえた。
涙がとまった。
今、なんて言った?
最後?
わたしは思わず、その場に立ち上がっていた。
「あ、あの!」
「ん?」
「さ、最後って…?」
M沢さんはしまった、という顔をした。
「あー、…聞こえちまったか」
「あの、もしかして、辞められちゃうんですか!?」
「…ああ」
「…なにかあったんですか…」
「ん、店長のお達し」
「えっ…そんな、M沢さん、うちの店のホープじゃないですか…なんで…」
「詳しくは言えん。いろいろ迷惑かかるからな」
「…」
わたしなりに推測はついた。
だれか決定的にまずい人に手を出したのか、評判の悪さが店長でさえ無視できないところまで来てしまったのか。
そのどちらかだろう。もしかしたら、両方かもしれないけれど。
多分、もしわたしが店長の立場だったら、同じ判断をしたかもしれない。
でも、その時のわたしは感情を抑えることができなかった。
「で、でも…わたし、嫌ですっ!」
「は?いや、そういわれてもな」
「だ、だってっ…」
言葉が出てこなくなった。
もうM沢さんが辞めることを、止める手段はない。
今度こそ、大量の涙があふれ始めた。
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「お、おい…」
さすがのM沢さんも、本泣きに入ったわたしを見て表情が変わった。
踵を返して、こちらに戻ってくる。
そのタイミングで、わたしの自制心は決壊した。
「う、うわーーーーん!」
文字にすると子供そのものだったが、本当にこんな声を上げて私はM沢さんに向かって飛びついてしまった。
勢いよく抱き着かれたM沢さんは、後ろに倒れそうになりながらも、かろうじてわたしを受け止めてくれた。
よろよろと2、3歩さがったところで壁に背がぶつかる。
これ以上後退できなくなったM沢さんにくっついたまま、わたしはぐすぐすと泣き続けた。
ふと顔を上げた。
目の前に、困ったようなM沢さんの顔があった。
その顔を見ているうちに、本当にこれで最後なんだっていうじわじわと実感がわいてきた。
それなら、せめて。
目の前の唇に、あたしは貪りついた。
ほんの少しでも、せめてキスだけでも。
「んぐっ!?」
M沢さんが声を上げたけれど、わたしはそれを気にすることさえなかった。
涙を流しながら、M沢さんに舌を入れて、ぐいぐいと動かす。
要領はわからなかったけど、とにかく無心に舌を動かした。
「ん…」
やがて、M沢さんはあきらめたように、舌をからませてきた。
それでもわたしは、まだ泣き続けていた。
どれくらいたっただろうか。
唇をひき離したM沢さんは呆れたように言った。
「お前もよくわからねえ奴だな…泣いたり抱き着いたり、忙し過ぎだぞ」
「だって、だってえ…」
「女から抱き着いてこられたのは、はじめてだわ…俺も年貢の納め時かね」
「ぐす、ぐす…」
「で、お前これからどうしたいのよ?」
「ぐすっ…えっ…」
「今から俺と何する気なのかって言ってんの」
事務所の椅子の上で、わたしとM沢さんは繋がっていた。
まさか硬い床の上でするわけにもいかない。
だから椅子の上で向かい合ってすることになった。
身体は動かしづらかったけれど、わたしにとっては何の問題にもならなかった。
おなかの中に、彼のおちん●んが入ってる。
そのことだけで十分だった。
M沢さんの太ももの上で、わたしは夢中で腰をこすりつけるように動かした。
「お前、ホントになんなんだ?」
M沢さんは珍しいものでもみるかのように言った。
それも仕方がない。
しゃくりあげながら声を上げるわたしは、どうみたって正気じゃなかっただろうから。
「だ、だって、だって気持ちいいんですぅ…っ!あんっ!…ぐすっ…」
声がどうしても抑えられない。
どうしてこんなに感じているのか、自分でも不思議なくらいだった。
職場でこんなことをしているのはすごくいけないことだとは思ったけれど、現実感はあまりなかった。
夢の中にいるみたいにフワフワした気持ちだった。
「はあ…ま、いいけどさ…」
M沢さんが軽く腰に力を入れたみたいで、膣の中でおちん●んの当たる角度が微妙に変わった。
「あっ…?あ、ああっ!そ、そこっ…!」
「どうだ?」
「いいですっ…気持ちいいですっ…!」
それだけで、わたしは危うく意識が飛びそうになった。
「敏感だな、お前」
「ぐすっ…だってっ…M沢さんの…」
「それ以上言わなくてもいいけどよ…」
「ぐじゅっ…すみません…」
「ま、あれだ、敏感な女は嫌いじゃねえよ、っと…」
「あんんっ、またっ…!ぐすっ…当たる、当たるうっ…」
ちょっとした彼の動き、力加減。
それが少し変わるごとに、わたしは気持ちよさのあまり翻弄された。
M沢さんも、少しずつ気持ちよくなってくれているみたいだった。
「こ、声は、すっかり一人前だな…」
「す、すみませんっ…んっ…こんなので…」
「褒めてんだよ」
「え?」
「色気十分、じゃねえかって、言ってんだよ…」
「ぐずっ…う、うれしいですっ…ああっ…!」
褒められて、わたしの中はますます潤った。
股間から掻きだされた愛液が股間はもちろん、太ももにもどんどん飛び散っているみたいで、まわりに濡れた冷たい感覚があった。
「腰、疲れてきたか…?」
「んんっ…だ、大丈夫っ…ですぅっ…んっ!」
「それならいいけど…俺、もうイくぞっ…」
「ど、どうぞっ…いっぱい…いっぱい下さい…わたしの中、いっぱいにしてくださいっ…!」
もうすぐ、わたしの中に、M沢さんの精子が。
身体がこわばったけれど、わたしは一生懸命、それまで以上に腰をグリグリと、M沢さんの身体にこすりつけ続けた。
「M沢さん、M沢さんっ…M沢さあんんっ…!」
わたしは何度も、M沢さんの名前を呼び続けた。
「んっ!」
M沢さんが、低い声を出したとたんに、膣の奥に生ぬるいものがどばっと噴き出すのを感じた。
(あっ…!)
M沢さんの精子が、たっぷり中に広がっていく。
それを自覚したとき、わたしの全神経は膣に集中した。
どっと、それまで以上の快感が襲ってきた。
「あ、あ、あ…あああああああっ…!…!…!」
喉が焼け付くように、わたしは絶叫していた。
限界を超えた声は裏返り、超音波みたいだった。
「ま、満足したか…?」
「は、はい…」
本音は、全然満足なんてしていなかった。
もっといっぱいしたかったし、これからもずっとしたかった。
だけど、M沢さんを困らせることになる。
だから、わたしは嘘をつくしかなかった。
せめて贈り物くらい送りたいと思ったのだけれど、次の日出勤すると、もうM沢さんはいなくなっていた。
頭ではわかっていたけれど、わたしはM沢さんがいた売り場の方を何度も何度も眺めた。
その後しばらくたつけれど、わたしはいまだにM沢さんのことを引きずっている。
どうやら、SEXしたのは失敗だったみたいだ。
なまじ直に彼の身体を知ってしまったために、余計に忘れられなくなってしまった。
自分でも未練がましいとは思う。
だけど、これからも多分、わたしは彼のことを考え続けてしまうんだろう。
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