3年前の夏、同級生相手に童貞を捨てた。
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その日は超大型の台風が近づいているとかで、人通りもほとんどなかった。
僕は、当時同級生だったR子と一緒に帰宅途中だった。
彼女とは仲はよかったけれど、別につきあっていたわけじゃない。
当然、この日も恋人同士のデートとか、そういういい話じゃなかった。
こんな日に限って、先輩に呼び出しを食らってしまったのだ。
朝早くからひたすらどなりちらす先輩に辟易しつつ、どうにか指示された作業が終わったのはついさっきのこと。
既に一日の三分の二くらいは終わってしまっていた。
すでに風はかなり強く、しとしとと静かに降っていた雨も、今はざーざーと激しく降り注いでいる。
それでいて気温だけは高く、汗がじとじとと染み出てきている。僕はもちろん、R子も汗だくで、シャツが湿気をおびていた。
彼女の肌が、電柱の暗い明かりしかない中でさえ、薄く白いシャツに微妙に張り付いて透けているのがわかる。
友達とはいえ緊張して、僕はあえてそちらを見ないようにしていた。
「まったく、こんなになるまで作業させんじゃねーよ、何様だよあのセンパイ」
「センパイは威張って当然、って思っちゃったら終わりだよねぇ・・・」
かなり苛立っていた僕の吐き捨てるような口調と対照的に、R子はどこか飄々とした口調だった。
当時のうちの学校はそれが当たり前の校風で、誰もがもうその点は諦めていたのだけれど、R子の場合はもう達観の域に達していたように思う。
R子は、うちの学校ではちょっとした有名人だった。
軽く焼いた褐色の肌のギャル風の外見。顔は客観的にいってもかわいかった。
性格も、多少冷めたところはあるもののいたって明るく、いわゆるモテるタイプだ。
ただ、それだけなら有名になるほどのことじゃない。有名なのには別の理由があった。
それも、かなり悪い意味で。
ハッキリ言ってしまうと、R子は男遊びが激し過ぎたのだ。特定の彼氏がいたという話はあまり聞かないわりに、関係を持ったという話は校内・校外を問わず多かった。
だから、女と男でR子の評価ははっきりと割れていた。特に彼氏のいる女の子には相当警戒されており、ほとんどの子に無視される有様だった。
R子から言いよることこそなかったらしいが、女の子たちからしたら同じことだっただろう。
実際、彼氏の方が言い寄って来たとかでヤってしまったことも何度かあったようで、後で散々責められたりもしていたようだ。
それでも、R子は意に介する様子もなかった。
こんなことを書くと、僕もR子の身体目的でつきあっていた口のようだが、そういうわけではない。
彼女とは、入学したときに席が隣だったときからの、割と長い付き合いなのだ。
もちろん、童貞の僕から見て、彼女の行動に引かなかったかというと嘘になる。
また、性格的にも見た目的にも、どうみても僕と彼女はタイプが違った。
だが、その割には何故か気があった。普通に友達として付き合う分には、彼女はむしろ気のいい、一緒にいて楽しい相手だった。
だからこそ、なんだかんだあっても、こんな日にご丁寧に一緒に先輩の呼び出しを食らう程度には付き合いを続けてきたのだ。
この時も、色々なことにいらつきながらも、R子としゃべりながら帰るのは楽しかった。
そんな道のりの途中、雨風が冗談ではすまないレベルで、急に激しさを増した。
さすがに彼女の声も表情も固くなってきた。なにせ、最寄のバス停まではまだかなりの距離があるのだ。
急に風向きが変わり、突風が吹いた。傘の骨が軽い音を立ててへし折れ、布地が完全に裏返った。
こりゃもう全くつかえない。
R子も片手で同じようにへし折れた傘を持ち、もう一方の手でスカートを押さえていた。
まずい。これではもう、どうにもバス停までいける状況じゃない。
なんとか、どこかで雨をしのがなくては。
あたりを見まわした視界の端に、行きかえりで見慣れた廃屋が映った。
大昔に廃業になったという、スーパーマーケットの店舗跡。
入口からしてところどころ崩れておりかなり不気味な雰囲気ではあるが、一応建物はそのまま残っている。
いずれにせよこの辺には、他にはコンビニすらない。バス停のそばにあるのが一番近いコンビニなのだ。
仕方がない。彼女を誘って、廃屋に飛び込んだ。
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「これくらいですんでよかった、かな」
「ここのそばだったのが、不幸中の幸いだよねー」
これだけ雨が降っているというのに、まったく気温が落ちていないのは驚異的なものがあったが、今はありがたかった。
これくらい、とはいったが、僕も彼女もさっきの一瞬でそれなりには濡れているのだ。
これで涼しかったら、それこそ一撃で風邪を引く。
「なんとかあがってくれればいいけど」
「当分は望み薄ね」
「つか、家に連絡してみたら。親御さん、迎えに来てくれるんじゃないの」
「あ、それはない。旅行中だもの」
まあ、連絡がつくなら、はじめから連絡入れるわな。
タクシーを使うことも考えてはみたが、いかんせん持ち合わせが全くなかった。
家まで乗ったあげくに金がみつからなかったら、それこそ目もあてられない。
予想通り、雨はその後ますます激しくなっていった。
これでは当分帰れそうにない。R子も最初こそにぎやかに話していたが、今はじっと外の雨を見ていた。
ただ、この時間は、意外に悪くなかった。
こんなに静かでボーっとした時間を2人で過ごすのは、考えてみたら初めてで、新鮮だったのだ。
夏場だったので日は長い。
天気はこんなで薄暗かったが、それでも真っ暗になるまでにはまだ時間がかかるだろう。
ただ、さすがにじっと突っ立っているのにも限度はあった。
「ねえ」
R子が声をかけてきた。
「こうやってても暇だしさ、ちょっと奥に行ってみない?」
「え、危なくない?」
「いやね、実はちょっと前に来たことがあるの、この廃虚」
「え?」
「それで、ちょっと奥にいったところにベンチがいくつか残ってるのよ。立ってるの疲れてきてさ。あんたも脚キツイでしょ?」
「ああ、まあ、確かに」
ちなみに後日談になるが、この廃虚はその後ほどなくして一部崩落したあげくに取り壊されて今はもうない。つまり、かなり危ない状態だったことになるのだが、運よくこの時はそういう問題は起こらなかった。
彼女のあとについていくと、少し奥に進んだところに、薄汚れた扉があった。
鍵はかかっていないようで、彼女は躊躇なく扉を開けた。
おそらく休憩室か何かだったのだろう、中はちょっとした小部屋になっていた。
窓が正面にあり、この時間だと光が入ってきてさほど暗くはない。
そして、部屋の真ん中に安っぽいベンチが、乱雑にいくつか並んでいた。
この店が閉店したときに、そのまま放置されたのだろう。
見たところ、きれいとまでは言えなかったが、そこまで汚れているわけでもない。
入ったときは気づかなかったが、これはおかしい。
いくら扉がついているとはいえ、ずっと放置されていたにしては部屋がきれいすぎる。
窓も割れていないし、ベンチにしても普通だったらもっと汚いのが当たり前だ。
何より、部屋の隅に簡単な掃除道具までおいてある。
さすがにいぶかし気な顔をしていると、R子がいたずらっぽい目で言った。
「あ、きづいちゃった?」
「ああ、なんかこの部屋廃虚にしては、」
「ここ、実はあたし結構使ってるのよ」
「え?」
「ヤリ部屋なの、あたしの」
さすがに、言葉に詰まった。
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カテゴリ:女学生エロ体験談(男性視点)