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【保母のエッチな体験談】ハロウィンの夜、魔女のわたしが保護者と犯した淫らな過ち(中編)

すっかり日が暮れるころ、うちの園初のハロウィンは無事終わりました。
保母たち総出で後片付けを始めます。

「いやー、やってよかったなぁ」

園長はご満悦の様子でしたが、あたしも似たような気分でした。
昼間のAさんの褒め言葉で、夕方になってもまだあたしは舞い上がったままだったんです。


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片付けは滞りなく終わりました。
何人かはまだ残っている親子もいましたが、それでも残っているのははじめから親御さんの都合がつかなかった子が殆どでした。
ここからは普段通りの保育ですが、さすがに園児たちは遊び疲れている様子ですやすや寝てしまっている子も少なくなかったですから、比較的楽なものでしょう。
それに、それは遅番の人達の仕事でした。あたしはその日はもう上がりでしたから。
だから、あとは着替えればいいだけでした。

うちの園の更衣室は狭く、何人も入ってしまうと本当にギリギリになってしまいます。
園に不満はほとんどないあたしにとって、それは数少ない不満のひとつでした。
何しろ着替えの途中で動くたびに腕といい体と言いぶつかり合ってしまうくらいなんですから。
そんな中で着替えるのがあまり好きではなかったので、その日、あたしはみんなに先を譲って、一人魔女のローブを着たまま、時間を潰していました。

ただ、単に時間つぶしのためだったかというと、微妙でした。
Aさんに褒められたことで、この魔女服に愛着が湧いてしまっていて、脱ぐのがなんとなく惜しかったというのは確かにあったんです。
それに、今日が終わってしまえば、次の年までこの服を着る機会なんてないんですから。
なんとなく園の出入り口の土間に立って、あたしはふとそばにある引き戸に嵌められたガラスを見つめました。
すっかり暗くなった表面に、とんがり帽子をかぶった、魔女姿の自分の姿が映っています。

…なんだかんだで、いい日だったなあ。この格好も、かわいいって言ってもらえたし。

名残惜しい気分で、帽子の広いつばに手をやりながら、魔女姿の自分にあたしは見入っていました。
その時でした。

「あれ、まだその格好なんですか?」

唐突なAさんの声に、あたしはドキンとしました。
みれば、ガラスに映ったあたしの背後に、Aさんが立っています。
思わず振り向くと、Aさんは息子さんの手を引いて怪訝な顔をしていました。

「あ…あれ、お帰りですか?!」

むしろ帰るほうが当たり前なんですけど、動転していたので素っ頓狂な声で返事をしてしまいました。

「ええ…そちらはまだお仕事なんですか?」
「い、いえ、あとは着替えたら帰るだけです」
「そうですか」

そこまで行った後、Aさんは何かを考えるような顔を一瞬した後、改めて声をかけてきました。

「じゃあ、ご一緒にどうですか、今日は車なので、送りますよ」
「え、ホントですか?」
「ええ、同じ方向ですし」

多少距離があるので、送ってもらえるのは大歓迎でした。
ましてや、Aさんです。
バッタリあったことさえあるくらい家が近いとはいえ、帰るタイミングが合うことなんてまずありませんから、こんなお誘いははじめてのことでした。
びっくりしながらも、今日はなんていい日なんだろう、って本当に思ったんです。
縁起をかつぐ性格ではないですが、さっきまで教室の壁に貼っていたかぼちゃたちがあたしの味方をしてくれているような気さえしました。

そうと決まれば、待たせるのはよくありません。
みんなおしゃべりが好きな年ごろですから、更衣室がいつ空くかもわかったものではないですし。
園長に挨拶だけしてタイムカードを押し、あたしは魔女の格好のまま、Aさんの車に乗り込んだんです。
促されるままに、助手席に。
その時、彼の心の中まで推し量るほど、あたしには気持ちの余裕がありませんでした。
舞い上がりぶりはさっきまでよりも余計にひどくなっていて、なにも考えていなかったんです。

車が走り出してから2、3分とたたないうちに、後部座席に座った息子さんは寝息を立て始めました。
園児の中ではもう年長で、もう目を離しても大丈夫なくらいに大きくなっていましたが、寝息はやっぱりかわいいものです。
街中とはいえ、ビルが立ち並ぶような地域ではありませんから、家の明かりがぽつぽつと見える以外は窓の外は真っ暗でした。
Aさんは車に乗り込んでからは無言で、あたしも息子さんが寝ている以上声を掛けるわけにもいきません。
すう、すう、という寝息だけが車内を満たす、静かな時間でした。

聞こえるか聞こえないかくらいかの小さな声で、つぶやくようにAさんが言います。

「…よく寝てるでしょう。一旦こうなったら、本当に起きないんですよ」
「そうみたいですね。園でも、寝たら起きないです」
「はは、そうでしょうね…ご迷惑おかけしてます」
「お仕事ですから…でも、本当に気持ちよさそうですね」

ちらりと、後ろに目をやります。
ぐっすり眠りこんだ息子さんの姿は、平和な家庭を象徴しているようでした。
ちくり、と胸が痛みました。
Aさんの仲睦まじい家庭を、想像してしまったんです。
心の中に浮かんできたのは、一抹の、でもはっきりとした嫉妬でした。

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…何を考えてるのよ!
いけないことだと自分に言い聞かせて、あたしはその想像を無理矢理頭から押しのけました。
Aさんが、やはりつぶやくように続けます。

「…和むんですよ、息子を見てると。大変ですけどね」
「そうでしょうね」
「…母親がね、最近帰ってこなくてね」
「え…」

何か、変な方向に話が進み始めました。
そういえば、前はお迎えにちょくちょく来ていたお母さんの姿を、ここしばらく見かけていません。
Aさんが来ていて、送迎には支障がないので気づきませんでしたが、言われてみれば確かに変でした。

「…結婚当時からあったことではあるんですけどね。気性が激しい妻で」
「そう…なんですか?そういう方には見えませんでしたけど…」
「外ではね。…一度喧嘩すると、しばらく実家に戻ってかえって来ないのが常なんです。もっとも、妻の両親も困ってるみたいですけどね」

普通は娘の味方のはずのご両親がそうなら、実際には相当なものなんでしょう。
ふと、Aさんが気の毒になりました。

「まあ、家の中でやり合うよりは最近はマシかと思うようになりまして。教育にも悪いでしょう」
「そうですね。…あ、すみません!失礼ですよね」
「いいですよ。実際にそうですし。…家の中で喧嘩してた頃は、息子もびくびくしてましたから」
「…」
「苦労させちゃったなって思いますよ。でも、最近は明るくなってね。結果的にはよかったですよ…いい園に恵まれてますし」
「もったいないですよ、そんなこと言われると。…でも、嬉しいです」

仕事へのプライドは持っていましたから、そう言ってもらえるのは純粋にいい気分でした。
ましてや、相手はAさんです。
たぶん、あたしは嬉しくて口元が緩んでいたと思います。

ただ、緩んでいたのは口元だけじゃなかったんですよね。
気がすっかり緩んだあたしには、先を読むだけの緊張感が欠落していたんです。

「…ただ、ね。息子はいいんだけど、僕がね」
「そうでしょうね」
「最近思うんですけどねえ…人間って、ままならないですよね」
「…はあ」
「…どうしても、ね…欲求がたまってくるんですよ」
「…はぁ?…!」

あたしがようやく気が付いたときには、話の展開はいよいよおかしくなっていました。
逆に言うと、そこまでの話になってしまうまで、あたしは会話を止めもせず、警戒心さえ抱かなかったんです。
もっとも、警戒したところで、その後どうなったかには変化はなかったようにも思いますが。

ちょうど車が信号機で止まりました。すうっと窓の向こうの暗闇が動きを止めたその時、膝を撫でられる感触がありました。
あっ…

何が起こったのか、頭ではもう何となく理解はしていましたが、あたしは視線を下げてみました。
Aさんの左手の指が、黒いローブの先に伸びるあたしの膝に絡みついていました。

あたしだってそれがどんなにまずいことかはもちろんわかっていました。
いくら内心で好感を持っていたとしても、他人の旦那さんなんです。しかもその息子さんは、言ってしまえばうちの園のお客さん。
エッチする相手としては最悪です。
第一、あたし自身も、そこまでするほどエッチに積極的なタイプじゃありません。

だから、一瞬拒絶しようとしたのは間違いありません。常識的には、それが当然でした。
でも、あたしは膝の上を這いまわる彼の手を振り払わなかったんです。
もしかして、あれがハロウィンの魔力というものだったんでしょうか。

「今日その姿を見てね…たまらなくなったんです」
「そんな…ダメですよ、そんなの…」

口にしてはみたものの、説得力は全然なかったはずです。
あたしは、膝を撫でられただけで、もう足を震えさせていたんですから。

「白くて綺麗な脚だね…妖しげで、まるで本当の魔女みたいだ」
「えっ…」
「昔の魔女もこんなだったのかもね…そりゃ、誘惑されちゃうよな、男は…」

言われてみて、あたしははじめて自分の座り姿を意識しました。
それまで舞い上がっていたせいか気づきませんでしたが、もともと短かった魔女ローブは座ったことでなおさら裾が引っ張られていたんです。
太ももの大半が、ほとんど丸見えになっていました。
慌てて黒い帽子を脱いで太ももに押し付けました。隠そうとしたんです。
でも、そのときには、Aさんの手はもう太ももに伸びていましたから、上からAさんの手を覆ったに過ぎませんでした。
帽子の下で、Aさんの指が肌をつーっとなぞるたびに、あたしの判断力や良識がなくなっていくようでした。

「おっ…と、いけない、いけない」

いつの間にか、信号が青になっていました。
たまたま後続車がいなかったからよかったものの、いたら確実にクラクションを鳴らされていたでしょう。
Aさんは慌てて車を発車させました。
手が太ももから離れましたが、あたしはもう、ボーっとしたままでした。
それでもかろうじて言いました。

「い…いけないですよ…こんなこと…」
「ダメ?」
「…む、息子さんだって…起きちゃうし…」

その言葉にほとんど意味がないことは、自分でもわかっていました。
本当にあたしとエッチしたいなら、別に今ここである必要はないんですから。
そして、彼もそう考えていたようでした。

「…家でちゃんと、寝かしつけてからじゃダメかな」
「…そ、そんなあ…」

多分、ここでちゃんと断っていれば、紳士的にAさんは対応してくれていたと思います。
だから、純粋な、あたし自身の判断でした。
心の中でくすぶっていた自分でも寒気がするような感情に、あたしは抗うことができなかったんです。
そう思うとあたしはこの日、本当の意味で、身も心も迷信に出てくるような邪な魔女になりきっていたのかもしれません。

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