「先生って、彼氏とかいないんですか?」
S藤先生に習い始めて、2ヵ月ほどたったころだっただろうか。
先生の話題が猥談に傾くきっかけになったのは、そんな俺の一言だった。
もちろん、深い意味があったわけじゃない。
勉強の合間の、ちょっとした冗談に過ぎなかった。
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「いないのよね、これが。前の彼と別れてからは全然…」
「じゃあ、昔はいたんですね」
「いてもおかしくないでしょ?わたしだって、二十代半ばの女なのよ」
「あ、すいません、言い方失礼でしたか?」
「まあ、失礼じゃないけど…こう見えても、昔は結構モテたのよ」
「へえ、でも先生、その気になったら確かにモテそうですよね」
「嬉しいこと言ってくれるじゃない。…まあ、こういう仕事だから、遠慮してるけどね」
別にお世辞というわけでもなかった。
実際に教えてもらってはじめて実感したのだけれど、間近で見るS藤先生はかなりきれいな人だった。
顔の作りなんかはかなり整っている方で、朗らかな笑い顔を向けられた日には、それこそコロっといきそうになったくらいだ。
ただ、そうした俺の評価とは別に、彼女はうちの学校ではむしろ地味な部類に入る教師だった。
少なくとも、男子生徒から憧れの視線を浴びるようなタイプではない。
なにしろ派手さがない。厳密にいうと、印象がどこか薄いのだ。
振る舞いも一見するとおとなしそうだから、二重の意味でインパクトがない。
その上、先にも書いたが、うちの学校は非常勤の先生が多い。
言い換えるなら、若い先生がかなりの人数いるのだ。そして、その中にはかなりの美人、いわゆるモデル的な雰囲気の人も少なくなかった。
だから、普通に綺麗といった感じのS藤先生は、相対的に目立たなかったのだ。
俺自身、教えてもらうようになるまでは、それほどの注意を払っていなかったくらいだ。
要するに、俺たちの目がマヒしていたともいえるのだけれど、理由はどうあれ、S藤先生の立場からしたらあまり愉快なことではなかっただろう。
人間、どうやったって嫉妬心というのはあるからだ。
それくらいは、人生経験のない当時の俺でもわかった。
だからだろう、俺の言葉を聞いたS藤先生は、俺の予想以上に嬉しそうな顔を見せた。
そこで話を変えておけば、変な方向に話が進むことはなかったはずだ。
だけど、俺は変な好奇心を出してしまったのだ。
「でも、その先生の、前の彼氏ですか?勿体ないことしましたよね」
「そうなのよ。こんな女ほっぽりだしてさ…」
なんとなく、先生の口調が変わってきた気がする。
もともとあっけらかんとした人ではあるのだけれど、なんというか、飾ってないというか、素になってきたというか…
「なんでまたそんなことに」
「別に深い意味はなかったけど。なんとなくうまくいかなくなったくらい」
「そんな簡単にわかれるもんなんですか?」
「うん。別れるときなんて一瞬だから。まあ、強いて言えば口げんかが多くなったのよね。彼、結構口悪かったし」
「へえ…」
「大体さあ、わたしが教師になるっていったとき、彼、なんていったと思う?」
意識はしていなかっただろうけれど、いつの間にか、彼女の声はかなり大声になっていた。
まちがいない、素だ。当時のことを思い出してでもいるのだろうか、かなりイライラした声になっている。
「なんていったんですか?」
「『お前みたいなスケベ女が教師なんてやれるわけねえだろ』だって。バカにしてるよね」
「…」
返事に躊躇した。
どう反応していいのかがわからなかったのだ。
そして、無理矢理ひねり出した俺の答えは、穏便にこの話を終わらせるという観点からしたら、最悪のものだった。
「…先生、スケベなんですか?」
口に出してから、俺は内心真っ青になった。
いくら気さくな人とはいえ、教師に向かっていうセリフじゃない。
けれど、この話に彼女は食いついてきた。多分、すっかり自分の世界に入ってしまっていたのだろう。大声だった。
「そりゃそうだよ!Hが嫌いなわけないじゃない!」
「…!」
さすがに、これには反応自体できなかった。
口ごもった俺を見て、先生も我に返ったようだった。
途端に声が小さくなる。
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「あ、ゴメン…つい…」
「い、いえ…でも、驚きましたよ…先生からそんな言葉聞くなんて夢にも思いませんでした」
「…まあ、そりゃね…うん…H嫌いな人もいるんだろうけど…わたしは…ね…」
なんとも気まずかった。
それを何とかフォローしようとして、俺はこの後の方向性を決める決定的な一言を口にしてしまったのだ。
「ああ、でも、そういう話も面白いですよね。意外性あるし」
「ん?」
先生の目がキラリと光ったように思えた。
「あなたこういう話ってされても平気なの?」
「…まあ。男ですし、そりゃエロ話は大好物ですよ」
「そう…ねえ、じゃあ、こういう話、時々しても大丈夫かな」
「は?」
「わたし、こういう話するの大好きなの。でも、話せる相手がいなくてね」
そりゃそうだろう。まして、ここは学校だ。こんなことを気軽に話せるような環境じゃない。
けれど、彼女自身は話したくて仕方がなかったんだろう。
だから、その時の彼女は、心底嬉しそうだった。いい話し相手が見つかったと思ったのだろう。
俺としても、教えてもらってばかりというのは気が引けていたし、ちょうどいい恩返しくらいのつもりだった。
それに、エロ話が好きというのは本当だった。少なくとも、普段男同士でしている程度の話なら。
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以来、勉強の合間に、彼女は猥談を振ってくるようになった。
もちろん、俺にとって彼女のその話は楽しかった。ドキドキはしたが、それも楽しみのうちだ。
いくら親しくなってきたとはいえ、彼女はあくまでも先生なのだ。
外見的なイメージがお堅いのは変わらない。
そんな彼女が、内面をさらけ出してくれるということ自体が、俺には意外性に満ちていたのだ。
ただ、想定外だったのは、あまりにも内容が色っぽすぎたことだ。
最初のうちこそ抑えてくれていたが、日を重ねるごとに、彼女の話はなまめかしいものになっていった。
もっとも、彼女としては俺がエロ話が平気だという前提で話してくれているわけだから、それも当然かもしれない。
むしろ、勉強が一段落したときの箸休めも兼ねるくらいのつもりだったのかもしれない。
だが、普段が地味目な印象の彼女の口から飛び出すえげつないまでのエロ話は、ギャップも相まって異常なまでに印象が強かった。
俺の頭が桃色一色に染め上げられるまでには、さほど時間はかからなかった。
だいたい、それでなくても性欲ならありあまっているのだ。
そこにきて、強烈な刺激を連日浴びせられるのだ。影響力は考えるまでもない。
前彼と彼女がベッドでしたことの話などは、聞きながら危うくモゾモゾしかけたくらいだ。
俺もしゃぶられたい。
心の底からそう思った。
机の下の下半身がどうしようもなくたぎった。
S藤先生の教え方はやはりすごかったけれど、エロ話のインパクトはそれ以上に凄すぎた。
彼女の色気に気を取られた俺は、すっかり煩悩を膨れ上がらせてしまった。
結果的に、俺の理解度にはそこで急ブレーキがかかることになった。
なにしろ、勉強していても彼女のあられもない姿が頭の中にモヤモヤと浮かんでくるのだ。
はかどるわけがない。
だんだん生返事が多くなってくるに至って、さすがの彼女もこれはまずいと思ったようだ。
大体、その頃には俺の目つきはかなり怪しいものになっていた。
前かがみになって教科書を指さして教えてくれている彼女の、スーツに包まれた胸の膨らみをついじーっと見てボーっとなってしまう事さえあったのだ。
一応気づかれないようにしていたつもりだったけれど、相手はまがりなりにも大人の女性だ。
気づかないわけもないし、俺が本末転倒な方向に進んでいることくらいは一目瞭然だっただろう。
もっとも、エロいことが勉強に悪影響なんてことくらい、どんな教師でも知っているはずだ。
ただ、彼女は多分、年ごろの男子生徒の性欲がどんなものかが、体感的にわからなかったんじゃないかと思う。
もちろん、すぐに彼女は猥談を辞めた。
だけど、残念ながらそれは遅すぎた。
俺の頭には、彼女がいやらしい格好でベッドに横たわっている姿が、既にこびりついていたからだ。
結果的に、彼女に教わり始めてからはじめての実力考査の成績は、理解度のわりにはイマイチなものだった。
それでも以前よりはだいぶマシにはなっていたのはさすがというべきだったけれど。
「うーん…思ったほど伸びなかったね」
「そうですね…」
「でも、間違えたところをみても、基礎は固まってきてるから。これからよ」
「そうですね…」
試験後、二人で今後の対策を話し合ってはみたが、その間でさえ俺はすっかり上の空だった。
意識を何とか勉強に戻そうとは思うのだけれど、どうにもうまくいかない。
それどころか、無意識に彼女のブラウスに寄った皺を盗み見してしまう。
今日は、彼女は上着を着ていない。
だからうっすらと下着のラインが透けているのだけれど、それに自然と目が引き付けられる。
彼女からすれば、十分に露骨だっただろう。
「…やっぱり、ああいう話したのがいけなかったのかな」
ふと、彼女が打って変わって元気のない声を出した。
びくりとしたが、ここまではっきりと言う以上俺の性欲に気づいているのは明白だったから、ごまかしても仕方がない。
どうせ下ネタはいつものことなのだ。
先生に影響されたのか、俺もこの頃にはこの手の話への抵抗感はかなり薄れていたから、隠そうとも思わなかった。
「…いえ、俺が興奮しすぎたせいですよ。先生のせいじゃないです」
「でも…」
「興奮したのは俺の勝手ですから。…だから、先生が落ち込む話じゃないですよ」
「…でも、ごめん。つい楽しくってああいう話しちゃってたんだけど…かえって悪かったな」
肩を落としてしょんぼりした彼女は、けれどこれまで以上に俺の急所を突いた。
率直に言うと、可愛すぎた。
それだけに、性欲に気を取られてしまった自分がよりふがいなく思えた。
猥談をしていいといったのは、間違いなく俺なのだし。
先生のブラ紐からやはり目を離せないまま、俺はただ自己嫌悪と性欲にまみれていた。
彼女も、それをとがめることはなかった。
「…なんか、彼氏が言ってたこと、当たってたなあ…スケベ女には教師はできないって…」
ややあって、吐き出すようにいったS藤先生の言葉が、俺に突き刺さった。
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カテゴリ:女教師エロ体験談(男性視点)