予想に反して、ラブホテルはなかなか見つからなかった。
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まずスマホで調べてみたが、この辺では一軒も引っかからなかった。
今日予約した店の周りは、そういう意味では狙いすましたかのように場所が悪かったのだ。
それでも、俺はまだ楽観的だった。
一軒くらいはネットに載ってないホテルくらいあるだろう。
けれど、それがかなり甘い見立てだというのはすぐに分かった。
かなり遠くまで目をやってみても、見渡す限りそれらしいネオンさえ見当たらない。
それどころか、普通のホテルさえも見つからなかった。一軒だけ小さなところをみつけたけれど、部屋数が少ないのか、満室だったのだ。
とうとう、俺は途方に暮れてしまった。
そもそも、考えてみたらバレンタインの夜だ。予約をしているわけでもない。
仮にラブホテルまでたどり着けたとしても、空いていない可能性の方がはるかに高いだろう。
ラブホテルというものに久しく行くことがなかった俺は、そういう当たり前のことを完全に忘れていたのだ。
「どうする?やっぱり帰るか?」
「だ、だめぇ…もう、無理…」
妻の声は、いよいよ抑揚が激しくなっている。
普段はこんなことはまずない。
あまり感情をあらわにする方ではないし、性欲だって普段はこんなに激しいわけじゃない。むしろ控えめな方で、自分から求めてくること自体めったにないのだ。
そんな妻がここまでになっているとなると、よっぽどだ。
なんとかしないと。この際、タクシーでも拾って運ちゃんに穴場がないか聞いてみようか。けれど、そのタクシーさえ見当たらないし…
そこまで考えたときだった。
「も、もう…この際、あそこでもいいから…」
妻が、やはりもじもじしながら指を指す。すぐ前で道が分かれている。妻が指さしたのは、その左手の道の先だった。
小道を、電柱の頼りない光が照らしている。
その突き当りに、何やら広場のようなものが見える。
その意味を理解するまでに、しばらくかかった。
「お、おい、本気か?」
「うん…人が見てなければなんでもいい…」
妻の声は、はっきりと震えていた。
遠くから眺めるとよくわからなかったが、近づいてみるとその広場は大した広さはなかった。
小さな公園のようだった。一見して子供向けとわかる遊具も、いくつか並んでいる。
とはいえ、子供がこの公園で遊ぶことがあるのかは怪しいものだった。
なにしろ、せっかくの土地だというのに雑草がそこら中でかなり伸びている。
みるからに整備が追い付いていなかったし、人が足を踏み入れることがあまりないのは一目でわかった。
そんな公園だったが、それだけに人目につかなそうではあった。
セックスできそうな場所も、すぐ見つかった。
公園の端に、公衆便所がある。ただでさえ夜だし、あそこに入ればまず見つかることはないだろう。
妻も、そのつもりのようだった。目線がすっかり、そちらを向いている。
ただ…
「おい…本当に、あそこでいいのか?まだ家の方がマシなんじゃないか?」
「いいって…場所にこだわってられないもの…」
我慢の限界とでも言わんばかりだったけれど、俺はそれでも躊躇してしまった。
なにしろ、その公衆便所は、一見して古めかしく、汚そうだったからだ。
ブロックづくりの、いつ建てられたかわからないような古さは、最近ではあまりお目にかかれないほどだった。
後から付け足したのか、あの手のトイレにしては珍しく電灯の明かりが漏れていたが、それがかえって古さを強調しているように見える。
俺は潔癖症というわけではないが、それにしたって、バレンタインのセックスにはあまりにもそぐわない。
男の俺でさえ、普通のトイレ目的だったとしてもうわっと思ってしまいそうなのだから。
けれど、妻はこういう時には肚が座っていた。もうそんなことを思う余裕もなかったのかもしれないが。
「いこ。それで、いっぱいして…」
ここまで言われては、とても断れなかった。
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男女の区別さえないその公衆便所は、予想通り、汚かった。
電灯も、いざ中に入ってみるとチカチカ点滅していて、切れかけている。
それ以上に、アンモニアの臭いが、顔をしかめたくなるほどだ。
それでも顔色一つ変えない妻に、俺はむしろ感心してしまっていた。なまじおしゃれをしているだけに、なおさらこんなトイレには入りたくないだろうに。
ばたんと個室のドアを閉めると、なおさら臭気が強まった気さえした。
「んっ…!」
それでも、やってみるものだ。
いきなり妻が抱き着いてきた時点で、俺の脳みそは自分でも意外なほどにスッパリと、セックスに向けて切り替わった。
コートごしに伝わってきた妻の身体の柔らかさは、アンモニアの強烈な臭気さえ気にならなくさせた。
それどころか、俺は急に興奮してきた。密着した妻の首筋から漂ってくる香水の香り。それがアンモニアの臭いとまじりあう。
なまじ香水がいい香りなだけに落差が際立って、鼻の感覚がおかしくなりそうなのに、それがかえって興奮を誘った。
俺は、勃起した。溜まっていたところに興奮したものだから、勃ち方も近年にないほど激しかった。
それが、ぴったりとくっついた妻の身体で、ぐいぐいと圧迫される。
「…硬くなってるね…」
耳元をくすぐるような妻のささやき声。
「そりゃあな…」
「もう、すぐできるよね…?」
「ああ、俺はいいけど…お前、いいのか?」
「…見せないとわかんない?」
俺から身体を離すと、妻はコートの下に手を突っ込み、パンストも下着もまとめて太ももまでずりおろした。
そして、下に着ていたワンピースごと、コートをめくりあげた。
一瞬、俺はここが公衆便所であることさえ忘れた。
目の前に現れた妻の股の間は、ものすごい状態だった。汁があふれ出て、割れ目どころか陰毛までがべとべとになって肌にこびりついている。
太ももも、付け根のあたり全体に汁が広がっていたようで、すっかり湿っていた。
脱ぐスピードが速すぎて見えなかったが、この分だと下着やパンストもぐちゃぐちゃだっただろう。
我慢できないという妻の言葉も、これなら納得がいく。ここまでになって、よく耐えられたものだ。
本来性欲がさほど強いわけではない妻がここまで濡れたというそのことが、俺を完全にいきり立たせた。
荷物を置く場所もない便所だ。妻はハンドバッグを腕に引っ掛けたまま、個室の壁に手をついた。
俺も、荷物を肩にかけた。自分のいかり肩はあまり好きではないが、こういう時だけはずり落ちてこないから都合がいい。
かなり身体が動かしづらいのはわかっていたが、他にやりようがなかった。
でも、なんとかなるという自信はあった。少々動きづらくても妻を感じさせるには十分なくらい、俺のち●こは固くなっていたからだ。
目の前に突き出された妻の真っ白な尻と、ベットリした股間の、ピンク色の割れ目。
後ろをなんとか腰までまくりあげたコートとワンピース。ドレスっぽいそのワンピースは場所と不釣り合い過ぎたが、ここに及んでは興奮を高めるスパイスのようなものだった。
開いた脚に引っ張られて、パンティとストッキングが横に大きく引き伸ばされている。
チラリと見下ろすと、股間にあたっていただろうあたりには、おもったとおり大きなシミがまるで漏らしたかのように広がっていた。
「は、はやく、挿れて…」
ブルブルと、妻の尻が震えた。
「ああ、わかった…」
ゴムなんて、持ってきていない。でも、妻だってそれはわかっていたはずだ。
俺はすっかり膨らみ切った亀頭を、妻の入り口に押しあてた。それだけで、妻はガクリと身体を震わせた。
「あ…あなたのち●ちん…熱い…」
「わかるのか…」
「うん、すごく…ねえ、ちょうだい、それ…」
俺はもう何も言わずに、ぐいっと腰を前に押し出した。
これまで何度も、数えきれないほどセックスしてきた妻の膣。けれど、久しぶりな上に、この濡れ方だ。
亀頭に絡みついてきた新鮮な感覚は、前にしたときとはまったく違うように感じた。
「あ、ああーーーーっ!」
妻は、最初から悩ましい声を張り上げた。トイレの外まで、多分聞こえただろう。
でも、妻はそれを気にするそぶりもなかった。
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